「ここを直して」が通じないときの指摘の書き方|制作会社向けテンプレート

「ここを直して」が通じないときの指摘の書き方|制作会社向けテンプレート

制作会社のチャットに「ここ、もう少しなんとかなりませんか」と届くことがあります。

送り手には画面上の位置が見えています。

受け手のデザイナーやコーダーには、候補が複数あります。

聞き返すたびに半日が溶け、結局「思っていたのと違う」が返る——認識ずれの典型です。

本記事では、制作会社側が書く指摘(社内レビュー、またはクライアント指摘の翻訳)を、実装可能な形にするテンプレートをまとめます。

発注者向けの啓蒙ではなく、現場の一次受け・二次翻訳の実務向けです。

通じない指摘の共通点

場所が言語だけで示されている

「下の方のバナー」「ヒーローのボタン」は、ページ構成が変わると指し示す対象がずれます。

似た部品が複数あるLPでは特に危険です。

評価語だけで期待状態がない

「目立たなく」「かっこよく」「スッキリ」は、好みの領域に入ります。

実装者は色・サイズ・余白のどれを動かすか決められません。

目的と手段が混線している

「ボタンを赤くして」は手段です。

目的が「問い合わせを増やしたい」なら、色以外の解決策もあります。

手段だけが先行すると、別案の提案余地がなくなります。

指摘を書く前の30秒チェック

制作会社のディレクターが、クライアント文言を転送する前に確認します。

  1. 対象URLは一意か
  2. 要素はスクショまたはピンで示せるか
  3. 現状と期待が対になっているか
  4. 優先度(公開前必須か)が付いているか
  5. 完了条件(誰がOKするか)があるか

欠けている項目があるうちは、実装レーンに流さない方が安全です。

使える指摘テンプレート

基本形(1指摘1メッセージ)

【対象】https://staging.example.com/service/
【箇所】料金表直下のメインCTA(スクショ添付)
【現状】背景と同系色で、主ボタンとして識別しづらい
【期待】主要CTAとして、周囲より先に目が行くコントラストにする
【優先】公開前必須
【完了】ステージングで依頼者が確認OK

「赤くして」と書かず、期待する役割(主要CTAとして識別できる)を書いている点がポイントです。

手段の指定が必要なときは、期待のあとに「手段案: ブランドカラーの塗り」と添えます。

文言修正用

【対象】…/recruit/
【箇所】FV見出し
【現状】「一緒に働きませんか」のみで、職種の魅力が伝わりにくい
【期待】応募職種(営業)と、候補者が得られる成長が一文で分かる文言
【制約】全角28字以内、既存トーンを維持
【優先】公開前必須

制約(文字数・トーン)を入れると、デザイン側の差し替え判断が早くなります。

表示崩れ・端末依存用

【対象】…/lp/
【端末】iPhone、幅390想定
【箇所】申込フォーム直上の注記
【現状】2行目がボタンに重なって読める
【期待】注記全体がボタンと重ならず読める
【再現】Safari、ページ着地直後(スクロールなし)

端末と再現手順がないと、「こちらでは再現しません」の往復が増えます。

クライアントの曖昧な一文を翻訳する

クライアント原文をそのまま貼らず、制作会社側で一度整形します。

原文

トップ、もうちょっと元気ほしいです。

翻訳例

【対象】トップFV
【現状】メインビジュアルが落ち着いたトーンで、キャンペーンの緊急性が弱い
【期待】期間限定であることが、FV内で3秒以内に伝わる
【確認したいこと】「元気」の意図は、色の強さですか?文言の訴求ですか?
【暫定案】期間バッジの追加と、CTA文言の具体化

意図が二つ以上あり得るときは、確認質問を1つだけ添えます。

質問を増やしすぎると、クライアントが答えにくくなります。

曖昧依頼への向き合い方は、ふわっとした修正依頼への対応も参照してください。

書き方より先に、場所を固定する

良い文でも、添付画像が別チャンネルに流れれば効果は半減します。

指摘の本文と、対象箇所のビジュアルはセットで残します。

制作会社では次の運用が現実的です。

  1. 実ページまたはキャプチャ上で箇所を示す
  2. 期待状態を短文で書く
  3. そのままタスク化し、担当とステータスを付ける

テンプレートをチャットに貼る運用から始め、件数が多い案件だけレビュー画面へ移す、段階導入でも構いません。

指摘が増えたときの並べ方

テンプレートで書けても、件数が増えると優先順位が崩れます。

制作会社では次の並びが扱いやすいです。

  1. 公開前必須(事実誤り・導線不能・重大崩れ)
  2. 公開前推奨(視認性・文言の明確化)
  3. 公開後可(好み・微調整)

並びを先に決めてから担当へ振ることで、「全部至急」の圧力を和らげられます。

実装レーンに渡すときは、必須だけを先にチケット化し、推奨は次スプリントへ回す判断も有効です。

チームで揃える「禁止フレーズ」

社内レビュー用に、次を禁止または要言い換えにすると品質が安定します。

避けたい表現 言い換えの方向
なんか違う 現状の事実(何がどう見えるか)を書く
いい感じに 期待する役割・優先順位を書く
前と同じ 参照URLまたは承認済み画面を添える
至急全部 公開前必須の件数を区切る

禁止は罰則のためではありません。

実装者の解釈コストを下げるためです。

まとめ:通じる指摘は「場所+現状+期待」

「ここを直して」が通じないのは、場所・現状・期待・完了条件が欠けているからです。

制作会社は、クライアントの一文をそのまま流さず、テンプレートで翻訳してから実装レーンへ渡しましょう。

文面の型と、画面上で箇所が残る仕組みが揃うと、修正の往復ははっきり減ります。

Revoolなら、箇所が見える指摘をそのままタスクにできる

テンプレートで整えた文言も、場所が画像で残っていなければ再び曖昧になります。

レビューキャンバスでは、撮影したキャプチャを自動で読み込み、その上に修正指示を投稿できます。

タスクの投稿・更新がしやすいレビューキャンバス

キャプチャとコメントがセットになるため、「どのボタンか」の聞き返しが減ります。

撮影したキャプチャを読み込み、修正指示タスクを投稿できるレビューキャンバス
撮影したキャプチャを読み込み、修正指示タスクを投稿できるレビューキャンバス

指摘の書き方を揃えたうえで、置き場も画面付きのタスクに寄せると、制作チーム全体の手戻りが減ります。

導入のイメージはRevoolトップページで確認できます。